Q. 創業の動機やエピソードを教えてください。― 365日、誰でも受け入れられる“逃げ場”みたいな場所をつくりたかった。私が酵素浴の店をやろうと思った理由は、かっこいいビジョンや華やかな夢じゃありません。正直に言えば、自分自身がしんどかった時期に、温めることで救われたから。いろんなことを抱えて、心も体も冷えて、「誰かに受け止めてほしい」と思っていたのに、そんな場所はどこにもありませんでした。だから作りたかったんです。365日、来たいときに来ていい、そのままの自分を受け入れてくれる場所。“酵素浴と365日。”という名前には、その想いをまるごと詰め込みました。そして、-輪-りんく。これは、使ったぬかを農家さんに還し、また野菜になって戻ってくる、人と人も循環してつながっていく、そんな 地味だけど確かな「輪」 を大切にしたくてつけた名前です。派手じゃなくてもいい。キラキラしてなくてもいい。ただ、あの日の私みたいな誰かが、少しでも軽くなれる場所がほしかった。Q. 失敗談はありますか。そして今ならどうしますか。― “輪=りんく”は自分にも必要だったと気づいた。正直、失敗ばかりです。開業準備中は、全部自分で抱え込もうとして、体も心も擦り切れました。「頼るのが苦手」「迷惑かけたくない」そんな思いが邪魔して、相談すれば3分で解決することも、ひとりで何週間も悩み続けたりして。今振り返ると、りんく(輪)が必要だったのは、お客様よりまず“私自身”だったんだと思います。今なら、・早めに相談する・抱え込まない・できないところは人に任せる・自分の弱さを認めるこの4つを、遠慮なくやります。ひとりで戦うのはやめました。輪がある方が、事業はずっと強く、あたたかくなれる。Q. これから一歩を踏み出す方へメッセージをお願いします!― 動かなければ、何も変わらない。起業は泥臭くて当たり前。何かを始めたいと思っている人へ。まずは動いてみてください。動けば良いほうにも悪いほうにも進む。でも、動かなければ…本当に何も変わらない。そして、起業は正直キラキラしてません。SNSに出てくるような“理想の起業ストーリー”とは違います。地味で、悩んで、迷って、泥臭くて、「なんでこんなことしてるんだろう」って思う日もある。でもね、その泥臭い毎日の積み重ねが、いつの間にか自分の力になっていきます。私はその“泥の部分”を大切にしています。そこにしか、本物の強さも成長もないから。もし迷っているなら、完璧じゃなくていい、失敗してもいい。まず一歩、動いてみてください。あなたの未来は、そこからしか変わりません。Q. ご自身と事業の紹介をお願いします― 温めることに救われた人間がつくった場所私は、格好つけて起業したわけではありません。キラキラした起業なんて程遠くて、正直、しんどい時に“温めることに救われた人間”が、そのまま同じようにしんどい誰かを受け入れたくて「酵素浴と365日。-輪-りんく」 を始めました。大層な理由よりも、「誰かの調子がちょっとでも良くなればいい」「自分が助かったこの温かさを、そのまま手渡したい」そんな想いだけでここまで来たようなものです。サロンの特徴は、派手ではありません。・365日、そのままの自分を受け入れる場所・自然発酵の酵素浴で、底の底から温める・農家さんと連携し、ぬかを畑に戻して“循環の輪”をつくる・足湯やKOMBUCHAなど、生活に寄り添う発酵の体験・人と人がつながる、遠慮のいらない空間「温める」を中心に、人も、体も、気持ちも、地域も、少しずつ巡り始める。そんな 派手じゃないけど確かなもの を育てています。Q. 支援機関を利用して役立った点を教えてください!― ひとりで抱えて潰れないために必要だった存在私は最初、全部ひとりで背負おうとして、正直、何度も心が折れかけました。数字のことも、計画のことも、分からないことが分からない状態で、それでも前に進まなきゃいけない。でも進むほど不安が増えていく。そんな泥の中をずっと歩いていました。支援機関に相談したとき、初めて「ひとりで抱えなくていいんだ」と思えました。・事業計画の数字を一緒に見てくれた・補助金の書き方も丁寧に教えてくれた・迷っていると、ちゃんと“今優先すること”を示してくれた・背中を押してくれるプロがいるだけで、呼吸がしやすくなった何より救われたのは、「一人で戦わなくていいよ」と言ってくれる人がいたこと。起業は泥臭い。カッコよく語る人もいるけれど、実際はしんどい。だからこそ、支援機関のような“味方”の存在は必要だと感じています。 酵素浴と365日。-輪-りんく 永塚 早恵里さん